組織本・リーダーシップ論本

外資系キャリアの出世術 - 会社のルールを学ぶ

こんなに正直に書いてしまっていいのか」というのがこの本の感想だ。

タイトルに「外資系キャリアの出世術」とあるが、内容はこのタイトルから受ける印象とは若干異なる。その内容を簡単にいえば「会社のオキテ、組織のオキテを真正面から解説した名著中の名著」とも言える。原題は、「Corporate Confidential: 50 Secrets Your Company Doesn't Want You to Know---and What to Do About Them」、つまり、「会社の秘密:50の会社があなたに教えない秘密と、それに対してどのようにしたらいいのか?」という内容である。

タイトルに外資系と書いてあるが、ほぼ、全てが日本企業に当てはまる。むしろ、日本的な企業ほど当てはまるところが多いのではないか?

多くの夢を語るビジネス書の中で、非常に現実的な知識が得られる。この本では、「上司は顧客、同僚は外注先(納入業者)」との定義は傑作であるし、新しい上司が来た場合の対処法などは、まさにと思うものばかりある。この本を読めば、会社という組織の意識決定構造、そして、組織運営上、「どうしても評価できる人とどうしても評価できない人」を見事に切り分けることができる。

特にあなたの上司が非常に重要で、その上司とどのように人間関係を築いて行ったら良いかがとても良くわかる。

更に、第5章では、管理職になる前に知っておきたいことが羅列している。管理職になる前にこういうことを知りたかったということばかりである。

この本の1つだけ欠点を上げるとするならば「あまりにもリアルすぎて同僚や部下には勧めにくい」というところだけだ。

会社をすぐに辞めたくなる新卒社員には是非とも読んでもらいたいし、今の会社に不満を持ち、そして、辞めたいと思ってる方にも読んでほしい。ほとんどのケースで、モヤモヤが解決するのではないか。

これほど、夢がないビジネス書も珍しいほど現実的な本。もし、組織で出世したいならこの本をベッドサイドにおいて、毎日寝る前に読むのが良い。そしたら出世は確実なのではないだろうか?

ちなみにシンシア・シャビロ氏はワークプレイス・コンサルタントという肩書で米国で活躍されている。このような内容だけに男性が書いているのかと思ったが、なんと、美しい感じの女性の方がでした。

是非とも会社(組織)に対して理不尽なことを感じだら「外資系キャリアの出世術」に目を通してほしい。ひょっとするとあなたが正しくない組織人なのかもしれない。

■ 発刊日
米国での発売は2005年。日本では2008年に発売された。

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