組織本・リーダーシップ論本

不機嫌な職場 - 協力できないワケとは?

「関わらない」「協力しない」「助けない」という職場が増えているという。なんとなく雰囲気が悪く、ギスギスしている職場だ。

実は私もそう感じ続けている。以前の会社には、同期、先輩、後輩という役職や担当を超えた見えないつながりや、過去同じ支社にいたという会合など、見えないつながりがたくさんあった。つまり、「協力しない」「助けない」はまだしも、「関わらない」と言うのは不可能であった。

しかし、現在、これだけ転職も多くなり、専門職も多くなった結果、XXXだけをやる人、XXX以外には関心のない人、XXXを会社の中でできなくなったらやめそうな人、といったようなXXXだけを考えている人が多くなった。

その結果、職場として一体感を感じることも少なく、誰も助けてくれずに孤立している人も多いのではないか?

このような問題を理論的に解き明かすし、解決策を提示するのがこの「不機嫌な職場~なぜ社員同士で協力できないのか」である。

残念ながら、実際のビジネスの現場では、「助けない」ということを問題視した場合の答えとして、「個人の資質」や「仕事の量」といったところに目が向きがちだ。あの人は、もともと助けないタイプの人だから、あの人は仕事の量が多くて人を助けている暇などない、などといったことである。そして、その解決策として提示されるものには、精神的なものが多い。「がんばれ」というようなものだ。

「不機嫌な職場」では「助けない」というのが、昨今の組織的な問題であると捉えている。つまり、会社が作った組織が「助けない」ということを助長しているのだ。効率化と成果主義がこのような組織を生む一つの原因になっているとも断じている。

詳しい原因・解決策は是非とも、この「不機嫌な職場」を読んで欲しいのだが、「信頼関係をいかに作るか?」「ポイントは面白いこと」など非常に実践的な内容である。もちろん、組織の問題は、組織のトップの影響も多いが、あなたも組織の一員である。つまり、リーダーではなくてもこの本を読めば、周りに良い影響をあたえることはできるだろう。

4名の方の共著であるが、そのうち3人の方がワトソンワイアット(現タワーズワトソン)という外資系組織・人事コンサルティング会社の出身(もしくは、現役)の方である。それを考えると勝手にもっと硬い感じなのかと思ってしまったが、非常に読みやすく内容・文章である。これも、「不機嫌な職場~なぜ社員同士で協力できないのか」の一つのおすすめポイントである。

■ 発刊日
2008年初版。

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