自己啓発本

ビジネスマンの父より息子への30通の手紙 - 親父が教えてくれるビジネスマンとしての基礎

この「ビジネスマンの父より息子への30通の手紙」は、1987年(昭和62年)の日本での大ヒットベストセラーである。この時代にすでに大人だったら、あ、そういえばという本である。ネットなどまだない時代であるが、当時本屋という本屋においてあり、その年の1、2を争うベストセラー出会ったことだけは確かである。

それだけでなく、25年以上立った今でも「父親が新社会人の息子に送りたいという本」として名前が上がる不朽の名作である。その理由は、内容もあるだろうがその体裁。息子に父親であるビジネスマンが手紙を送り、その手紙でビジネスマンとしての心得を教えるというかなり「おやじの心にヒットする」フォーマットなのである。

たぶん、これを父親から送られた若いビジネスマン(そして、実際に送っていたら息子も)も、最初のうちは血気盛んなビジネスマンには伝わらない部分も多いだろう。どちらかと言うと、教訓めいたものでビジネス書としては抑え目の内容(おやじのつぶやき)なのである。

この本の基本的に流れるポリシーは、父が息子に送るというコンセプトからもわかるように、よく働き努力すること、人との関係を大事にすること、自分の力で切り開いていくなど、基本的なことばかりである。しかし、働いてみるとぐっとくる状況にぶち当たるのではないか。

また、この本のもう一つのポイントは、友情、幸福、家計の管理、生活とのバランス、金銭感覚など「本当に親父が伝えたいこと」が網羅的に詰まっている。

子供を持った親ならこの本を息子に読ませたいと思う。そういう意味では「ビジネスマンの父が買う息子に読ませたい本」ではあるが、息子の方にかならず役に立つと思う。

原題は、「Letters of a Business man to his Son」であり、30通というところ以外はほぼ直訳。現在出版されると、もっと派手なタイトルが付きそうだが、「ビジネスマンの父より息子への30通の手紙」、素晴らしいタイトルだ。

■ 発行日
原著は1985年に出版。日本語版は1987年に出版された。

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