マーケティング本

バイラル・ループ - インターネット上で急成長するサービスを作るために

誰もが知っているインターネット上の有名なサービス、ホットメール、イーベイ、マイスペース、フェイスブック、フリッカー、ツイッターは、どのようにサービスを広げて行ったのか? それはバイラルと言われるユーザーがユーザーを誘う伝染的な口コミの力だ。

この口コミの力は、ユーザーがある意味、自主的に行うために広告費はかからない。もちろん、一定のインセンティブ(例えば無料利用)が設定されている場合もある。

例えば、筆者が最近良く使うストレージサービス、ドロップボックスもバイラルをマーケティングに使っている。これは、ユーザーが知り合いにドロップボックスに紹介し、そのユーザーが登録し利用し始めれば、無料で利用できるストレージスペースが拡大する仕組みだ。

バイラルと言われるマーケティング手法で成功した例で、業界で一番有名なのはホットメールだろう。この「バイラル・ループ あっという間の急成長にはワケがある」の中でも紹介されれているが、無料のWebメールサービス、ホットメールでメールを送信すると、メールの最後に「このメールは無料のWebメールホットメールで送信されました」というような文言が挿入され、そのメールを受けたった人の中から多くの新規ユーザーを獲得した。そして、注目なのは、そのリンクから獲得した新規ユーザーがまた、別のユーザーにメールを送れば、またそれが広告となり、ねずみ算的にユーザーが増えていくことになることだ。

これは、ユーザーがメールを送るという行為とホットメールの宣伝を結合し、ユーザーが送るメール自体をホットメールの広告にし、バイラル効果を最大限に利用した例と言える。

この「バイラル・ループ あっという間の急成長にはワケがある」の中で口コミが口コミを呼ぶ状況をバイラル・ループという言葉で解説している。人から人で伝染するように広がる仕組みだ。

インターネット上でいわば自律的に広がっていくこのバイラル・ループの形成に成功すれば、サービスが大量の宣伝広告費を使わなくても、サービスはユーザーが企業に代わって広げてくれることとなる。

インターネットで急速にサービスをはやらせようとするとこの「バイラル・ループ」を利用することが前提となる。この本では、様々な事例とともに、バイラル・ループが起こりやすい製品の特徴などを解説している。

■ 発売日
原書「VIRAL LOOP」は、2009年アメリカで発売された。日本版は、2010年の発行。つまり、発売から5年まだ立っていないた「50冊の名著ビジネス書」に入れていないが、5年経ったら是非とも入れたい名著である。

著者のアダム・ベネンバーグは、米国大統領専用機に置かれている唯一の雑誌というアメリカで最も権威あるとされる政治雑誌「ニュー・リパブリック」の捏造記事を見破ったジャーナリストとしても有名である。

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