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シリコンバレーから直輸入の起業成功マニュアル

ガイ・カワサキ氏をご存知だろうか?

アップルの初期のエバンジェリストの1人で、ベンチャーキャピタリスト、最近では、グーグル社に参加した、シリコンバレーの有名人だ。

そのガイ・カワサキ氏が書いたのが起業術の本が、この本「完全網羅 起業成功マニュアル」である。もう、IT関連で起業したい人は読まなくてはならないという感じだろう。

ぱらぱらと目次を見て、非常に現実的な起業指南書であることがわかる。シリコンバレーというと、どちらかというと、ベンチャーキャピタルから何億ものお金を引っ張って、すごいオフィスを造って華々しくビジネスをやる所なんてことを考えがちだ。

しかし、この本の5章は「自己資本経営の奥義」である。

Q2 自己資本経営にこだわりすぎたら、成長も成功もあきらめるハメになりますか?
A2 自己資本経営にこだわりすぎた組織というのを、私はひとつとして挙げることができません。資金不足よりも資金過剰のためにチャンスをふいにする危険の方が大きいのです。(以下略)
(本書P147 5章自己資本経営の奥義のFAQより抜粋)

非常に地に足がついた本である。また、第6章の人材採用の奥義も面白い。新興企業において人材は非常に重要であるが、5章でも述べられているが、給料も潤沢に出せる訳ではない。その状況下で、どのように優秀な人を選択したら良いかのヒントがいっぱい詰まっている。

ちなみに、以下が本書に載っている就職希望者がよくつくウソだ。

うそ:
ほかにも内定を三つもらっていますので、決定はどうかお早めに
真実:
ほかにも面接を三つ受けて、むげに断られたケースはまだありません。
(本書P162)

このような面白い表現で、さまざまな示唆にとんだ知識を得られる。

事業計画書の作り方、売り込み方、パートナーシップの構築方法など、起業したら(する前から)必要であろうスキルが惜しげもなく解説されている。

直接的に起業に興味がなくても、社内で新しいプロジェクトを作る際など、新しいことを始める際には訳に立つ知識が満載のビジネス書である。

■ 発売日
完全網羅 起業成功マニュアル」の原著「The Art of the Start: The Time-Tested, Battle-Hardened Guide for Anyone Starting Anything」は、2004年に発売された。現代を直訳すれば「すごい起業術」といったところか。著者はガイ・カワサキ氏。日本語版も躍動感がある文章で非常に読みやすい。

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