経営戦略

ビジョナリー・カンパニー – ケイパビリティ派の指針

投稿日:2014年1月3日 更新日:

世界でも最も読まれている経営戦略書の1つである「ビジョナリー・カンパニー」シリーズ。その第1作目は、1994年に発売された(原著の発売年)「ビジョナリー・カンパニー ― 時代を超える生存の原則」である。

この本は、現在の日本語版の帯を見ると発売以来全世界で300万部以上売り上げているということだ。原書のタイトルは「Built to Last: Successful Habits of Visionary Companies」であり、訳せば「永続するために作る、ビジョナリカンパニーの成功の気質」というところだろうか。

本書は、先見性のある企業、卓越した企業、つまり、ビジョナリー・カンパニーと同業種の優れた企業を比較分析して、ビジョナリー・カンパニーに持っている共通点を分析した本である(18社のビジョナリーカンパニーを抽出している)。例えば、ファイナンス分野のシティーコープ(ビジョナリー・カンパニー)とチェース・マンハッタン(同じ業界の優良な企業)という具合にである。

まず、本書では、まず最初に一般的な経営神話に対して挑戦している。「十二の崩れた神話」として述べられている中には、「すばらしい会社を始めるときにはすばらしいアイディアが必要である」であるとか、「ビジョナリー・カンパニーには、ビジョンを持った偉大なカリスマ的指導者が必要である」というような、誰もがYesと答えそうなお題に対して、調査の結果を元にNOと答えている。ここで多くの読者が引き込まれるのだろう。え、なぜ?と。

そして、いくつかの画期的かつ重要なコンセプトを伝えている。例えば「ANDの才能」と言われるものだ。

これは、一見矛盾する考え方は同時には追求できない、例えば、長期的な視野に立った投資と短期的な成果の要求は追求できないとする理性的な見方である「ORの抑圧」状況下では、AかBのどちらかを選ばなくてはならない。しかし、ビジョナリー・カンパニーは、AとBの両方を手に入れる「ANDの才能」を持っているという。非常に難しい才能であるが、このように物事を自由に捉える力がないとビジョナリー・カンパニーにはなれないのであろう。

この他にも、ビジョナリー・カンパニーの様々な特徴を解説している「ビジョナリー・カンパニー ― 時代を超える生存の原則」。ビジネスマン必読の経営戦略の古典といえるだろう。

■ 発行日
1994年に「Built to Last: Successful Habits of Visionary Companies」として発売された。著者は、スタンフォード大学ビジネススクール教授、ジム・コリンズ氏(この本の発売後、1996年にコロラド州ボルダーに自身の経営研究所を設立した)、とスタンフォード大学ビジネススクール名著教授のジョリー・I・ポラス氏。

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