インターネットを使って見込み客のリストを作り、そこにへeメール(ダイレクトメール)を送る。そんな作業をしている方も多いだろう。
eメールの時代になってもダイレクトメールを作るという作業は非常に難しい。というのも、テクノロジーを進んだ今でも「見ず知らずの相手の興味関心を引き出すような文言を考える」ということは非常に難しいからだ。
店舗なのでは、直接人にあって(つまり、対面で)接客できる。そして、それは同時にかなり多くの情報が得ることが出来ることを意味する。服装や顔つきから好みや所得レベルも類推できるかもしれないし、すくなくとも、女性か男性か、年齢層などは容易にわかる。更に、人間の頭脳を駆使して、お客様の反応に合わせたメッセージを対話を通して伝えることが出来る。
これに対してダイレクトメールは、実際に会わないで(つまり、非対面で)であなたの化身でもあるメールや紙が見込み客を説得し、そして購入してもらわなくてはいけない。逆に言えば、素晴らしいダイレクトメールを作ったら非常に低コストで効率的な営業ができるが、全く見当違いのもの作ればごみ箱へ直行という世界である。
そんなあなたにオススメなのが今回紹介しているアメリカのダイレクトメールの第一人者のダン・ケネディ氏による著書「究極のセールスレター シンプルだけど、一生役に立つ!お客様の心をわしづかみにするためのバイブル」である。
この本では、28のステップで、どのような手順でダイレクトメールを制作するべきなのかを教えてくれる名著である。
この28ステップの中で具体的な手法について教えてくれているのであるが、ステップ8で語られているコピーライティングのテクニックは秀逸だ。すべてのマーケティングに応用できるだろう。
1.焦らせる
2.ROIを説明する
3.自尊心に訴える
4.しっかりと保証する
この4つだけであるが、このテクニックによって抜本的にダイレクトメールがぐっとくるものになるのではないか?本書の中では、この4つのテクニックに関連して具体的にどうすれば良いという細かい解説がある。
更にこの「究極のセールスレター シンプルだけど、一生役に立つ!お客様の心をわしづかみにするためのバイブル」には、22のセールスレターのサンプルが含まれている。日本ではユニークすぎるかも知れないと思ったが、昨今のバナー広告とそのランディングページを見ているとこの手法に近いもの(偶然かもしれないか)を見かける。こんな楽しいセールスレターをもらったら、思わず心が動いてしまうかもしれない。それだけもお買い得だ。
また、「究極のセールスレター シンプルだけど、一生役に立つ!お客様の心をわしづかみにするためのバイブル」では、連続した(つまり、シリーズ化した)セールスレターの重要性についても述べている。この概念は非常に注目したい。1回のダイレクトメールを送って反応を見てということは皆考えていると思うが、連続させたダイレクトメールでたたみ込むというところまでは考えていなかった人が殆どであろう。
多くのマーケッターが犯す最大の誤りのひとつが、「1回限りの発送」しかしないことである。(本書P216)
セールスレターをただたくさん書くのではなく、連続したセールスレターを生み出すことこそが、私が若くして使い切れないほどの大金を手に入れ、クライアントに何百万ドルと儲けさせた唯一のアイデアに他ならないからだ。(本書P217)
このように内容満載の本書。レスポンスマーケティング、ダイレクトマーケティングに関わっている人だけでなく、すべてのマーケッターにお勧めの本、それが「究極のセールスレター シンプルだけど、一生役に立つ!お客様の心をわしづかみにするためのバイブル」である。
■ 発売日
本書の原著「The Ultimate Sales Letter: Attract New Customers. Boost Your Sales」の初版は、1991年に発売された。著者は、アメリのダイレクト・マーケティング会のグル、ダン・S・ケネディ氏だ。
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