マーケティング本

口コミはこうしてつくられる|バズ・マーケティングの仕組みを解説

2013年12月22日

口コミ(Buzz)とは、偶然に広がる現象ではなく、構造と条件によって生み出されるマーケティング手法である。本記事では、口コミマーケティングの古典的名著「クチコミはこうしてつくられる」をもとに、口コミがどのような仕組みで広がり、どのように計画的に活用できるのかを整理して解説する。

バズ・マーケティングとは何か

バズ・マーケティングとは、口コミ(Word of Mouth)の拡散構造を理解し、その広がり方を意図的に設計・活用するマーケティング手法である。

多くの場合、口コミは偶然の産物や運任せの現象として語られがちだ。しかし、実際には「誰が、どのような文脈で、どのネットワークを通じて情報を伝えるのか」という条件によって、その広がり方は大きく左右される。

クチコミはこうしてつくられる(原題:The Anatomy of Buzz)は、この口コミ拡散のプロセスを感覚論ではなく、構造として整理した点に特徴がある。著者である エマニュエル・ローゼン は、口コミを「再現性のない偶然」ではなく、「設計可能なマーケティング現象」として捉えている。

本書が示すのは、バズとは単なる話題性ではなく、商品そのものの価値、伝える動機、ネットワークの特性が組み合わさった結果として生まれる現象だという考え方である

口コミはこうしてつくられるの概要

原題は「The Anatomy of Buzz」であり、直訳をすれば「口コミ(という生物)の解剖学」ということになる。この本では、口コミが計画的に適切に広がるように、ユーザーのネットワークをどのように考えていけばいいのかを論理的に、構造的に解き明かしている。

本書はテクニック論にとどまらず、そもそも人々が前向きなコメントを残すに値する商品を持っている必要や口コミを起こすために誠実、正直、素直に口コミマーケティングを行っているかなど、小手先にはよらないまっとうなことも論じている。

また、パワーバー(アスリート向けの栄養補給食品)やアメリカでの高性能ヨーヨーの例など、実際にどのようにバズを起こしたかの事例の紹介もある。

この「クチコミはこうしてつくられる」で興味深いのは、広告を排除していない点だろう。口コミの発生には伝統的なタイプのマス広告は必要ないとしながらも、バズを後押しするような広告をつくり、「バズの発射台として利用する」ということを説いている。

いずれにしても、口コミは偶然の産物ではなく、活用できるマーケティング手法であるということが学べる。

■ 発売日
この「クチコミはこうしてつくられる―おもしろさが伝染するバズ・マーケティング」は、「The Anatomy of Buzz: How to Create Word of Mouth Marketing」として、2000年アメリカで発売された。アメリカでは2009年には改訂版も発売されている。著者は口コミ研究家のエマニュエル・ローゼン氏。

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