日本においてビジネス上の交渉が不得意なビジネスマンは多いだろう。この理由を交渉術を学んだことがないからではないかと考察している。
MBAなどに行くと「ビジネス・ネゴシエーション(ビジネス上の交渉)」の授業がある。いわば、ビジネス上の交渉には理論があり、それは座学で学べるものだ。ただし、日本で一般的にビジネスをして交渉術の授業を受けるということは皆無だ。
その為、交渉が上手い人は生まれ持った交渉の才能がある人というイメージがある。繰り返しになるが、交渉術は学ぶものである。生まれつき持ったスキルではない。
そのような視点に立ちあなたの交渉術強化のためにベストセラー・ビジネス書を3冊紹介したい。
1冊目:交渉術の古典的名著
まずは、交渉術の古典的名著「ハーバード流交渉術」を紹介したい。
このビジネス書の原書は、1981年にアメリカで発売された「Getting to Yes」(直訳すれば「Yesの言わせ方」となるだろう)である。今から約40年ほど前のことだ。その後、1991年、2011年に改訂版が出ているが、40年にもわたって読まれている交渉術の名著だ。
尚、ハーバード流としているのは、この本がハーバード大学の交渉術研究プロジェクトから生まれた成果を元に書かれていることからだろう。著者の1人であるロジャー・フィッシャー氏は、ハーバード大学の教授である。
この本での根底に流れる交渉のコンセプトは、「交渉する相手・交渉する問題を理解する」ということだ。交渉とは要求をのませることではなく、お互いにとっての最高の解決法を見つけるプロセスであるということだ。
アメリカ流の交渉術は日本では使えるのか?と考えていた人も、この考えであれば、この「ハーバード流交渉術」が日本でも十分使える交渉術であることがわかってくれたのではないか。
2冊目:和製交渉術本の鉄板
武器としての交渉思考は、和製の交渉術本としては鉄板ともいえる。
面白いタイトルあるが、この武器という意味は深い意味が込められている。
現在あらゆる組織で「王様と家来モデル」が崩壊しているとしている。これは簡単言えば「今まで上司の言うことさえ聞いていれば成り立っていたが、現代の複雑な世の中でこのモデルが成り立たなくなった」ということ。
そのような時代において重要なことは「自分たちの手で自分たちで秩序を作りだすこと」。そのためには様々な人と合意しなくてはならず、そのための交渉が重要になるということである。
そして、これは特にこれから自分の人生を切り開いていく若者にとって重要なものとしている。そういた意味での人生を切り開くための武器なのである。
そんな背景もあり「武器としての交渉思考」は、どのように交渉をしていったら良いかのフレームワークをわかりやすく読みやすい形で学べる交渉術の教科書的な本である。
3冊目:真の交渉術とは会話術
ダイアローグスマートは、難しいタイプの会話をどのようにしたらよいのかを解説したビジネス書。
「伝えるのは難しい、そして、対立するようなテーマであれば尚更だ」と説く、ダイアログスマートでは、「見る聞く→ストーリーを作る→感じる→行動する」という流れを通じて、共有の思いのプールを作ることで「言い難いこと」が伝わる会話術を伝授してくれる。
この本は、純粋には交渉術の本ではなく、会話術のビジネス書である。ただし、交渉とは相手に自分の考え方を伝えること。その観点からも読んでおきたいビジネス書である。
3冊のセレクションはいかがであったろうか?人生をより豊かにするためにも交渉術は是非とも身につけるべきスキルなのではないか?
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