「なぜあなたのチームは力は力をだしきれないのか?」という直球のタイトルのビジネス書がある。
アメリカで、人や組織のコンサルティング会社「The Table Group」を経営するコンサルタント、パトリック・レンシオーニ氏が執筆した本であるが、今から20年以上の前の本であるが、コロナ過時代に非常に参考になるビジネス書である。
というのも、このコロナ過時代でチーム内でのコミュニケーションが少なくなり、チームのまとまりや透明性が失われている。この本は、チームのまとまりや透明性について明確な指針をくれるからだ。
この「なぜあなたのチームは力は力をだしきれないのか?」は、そのような時代のチームに一体どのようにチームビルディングしていけばよいのかの方策を教えてくれる。
4つの指針が重要
この本では、チーム作りにおいては、4つのルールが重要だとしている。それは、
第1条 まとまりがある指導者チームを作り、その結束を維持する。
第2条 透明な組織をつくりだす
第3条 組織が決定したことの伝達はやり過ぎるくらいやる
第4条 人事システムで透明な組織を強化する
(本書 P157 移行から引用)
ということだ。
ただし、この本の全体流れる全体的な思想はこれを超えて以下の1つである。
建設的な意見の衝突を恐れない
この「なぜあなたのチームは力は力をだしきれないのか?」は、ビジネス小説の形を取っていて、最初は、とあるコンサルティング企業にコンサルティング企業を舞台にしたストーリーが展開されている。
そこでは、新しい人事部長が入って来たというのが話のキーであるが、その人事部長は「自分の意見を言えない=意見の衝突を恐れる」というのが、いろいろな問題を根本的な要因となっている。
この意見の衝突を恐れないというのは、簡単なようで難しい。それを実施するためには、信頼関係を作らなくてはいかないからだ。巻末には、信頼関係を作るのは容易ではないにしろ、信頼関係を作るための指針も書かれている。
その中で私が興味を持ったのは「個人史」のシェアである。個人の業務経験やそこで下した判断などは、その人を理解するうえで非常に役に立つ。
信頼関係は簡単には構築できない。ただし、正しい方法論がわかっていればいつの日には、信頼関係が構築でき、意見の衝突を恐れない組織を作ることができるのではないか。