組織・リーダーシップ論本

失敗の本質 - 日本的組織について学ぶ

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「第二次世界大戦で旧日本軍がなぜ敗北したか?」というのお題に対し、キーとなる6つの戦いを例に、日本軍の組織的な欠陥を敗北の理由として、解き明かそうというのがこの「失敗の本質―日本軍の組織論的研究」である。

分析されている戦いは以下の6つであり、どれがこれによって敗戦の色が濃くなったというターニングポイントの戦いだる。

分析されている戦い:

  • ノモンハン事件
  • ミッドウェー作戦
  • ガダルカナル作戦
  • インパール作戦
  • レイテ海戦
  • 沖縄戦

この「失敗の本質」が名著である理由は、その敗北の理由を「単なるアメリカ軍との物量の差だけではなく、日本的な組織の限界、そして、その組織から繰り出される日本的な意思決定構造に注目した点」である。

その問題点は、

  • 感情的で戦略性に欠如した意思決定
  • 過剰な精神主義によるミスリード
  • 組織的な学習の欠如

というような、どこの日本の大企業で起こりそうな、戦略的には不合理、ただし、組織維持のみを考えたときに良さそうという選択肢を取ってしまうということだ。

戦争や歴史をそのままビジネスに活かすというのは実は難しい。戦争とビジネスは本質的に違うものである。しかしながら、現在の変わらなくてはいけない日本的に企業に対してこの「失敗の本質」役に立つことは間違いないだろう。

■ ここがお勧め:日本的な組織をバッサリ
とにかく、悪くも良くも体育会的な根性論に陥りがちな日本的な組織をバッサリと批判してくれるところがこの本の良さでもある。本当の意味での戦略性というのは何かを感じさせてくれる。

この本が、注目されてきたのは、バブル経済崩壊後、低迷する日本企業の戦略決定と照らし合わせた読者が多いからだろう。

ジャパン・アズ・ナンバーワンと歌われたバブル経済下の日本企業は、一時的には世界的覇権を握った。しかし、その後のIT革命、インターネットの勃興による、ハードウェアからソフトウェアのシフト下で、輝きを失った。

現在の、スピードが重要となるグローバル経済下で多くのグローバル企業は、戦略的な選択と集中、創造的な破壊と業務革新(イノベーション)を行っている。

現在の日本企業は、戦略性(選択と集中)=つまり、組織的ないし決定の速さが欠けているのではないかと感じているビジネスマンも多いだろう。

このことを旧日本軍という題材を使いながら「失敗の本質」は私達に語りかける。

■ 続編の「戦略の本質」もおすすめ
待望の続編とも言える「戦略の本質」が2005年に発売された。

この「戦略の本質」では、当時、勝利することが難しかったと考えられる戦いにおいて、どのように形成を逆転して勝利したのかを解説している。

  • 中国の内戦における国民党と共産主義勢力の戦い
  • バトル・オブ・ブリテン
  • スターリングラード攻防戦
  • 朝鮮戦争
  • ベトナム戦争
  • 第4次中東戦争

どの戦いも戦いの始まる前は、開戦以前は、負けたほうが勝つのではないかといわれていた戦いである。どのようにして逆転したのか?戦いのリーダーシップについて詳しく学べる。

■ 発刊日
「失敗の本質」の発行は1984年。皮肉にも日本が最も繁栄するバブル経済前夜である。何れにしてもロングセラーであることは間違いないだろう。

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