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ほったらかしの資産運用: ロボアドバイザーとは?

空前の投資ブームといえる昨今、注目を集めている金融商品にロボアドバイザーがある。

その中でも、特に初心者を中心に注目を浴びているのが、WealthNavi (ウェルスナビ) やTHEO (テオ) といった投資一任契約型のロボアドバイザーである。

これらのロボアドバイザーは、お金を入金すれば、あとは自動で運営していくれるタイプであり、とにかく初心者でも何も考えずに始められる。

といっても、やはりロボアドバイザーってどのような投資商品か気になるとところ。そこで、専門知識一切なしで、このロボアドバイザーを理解できるのがこの記事だ。

1. ロボアドバイザーは一体何をやってくれるのか?

WealthNavi (ウェルスナビ) やTHEO (テオ) も、入金するだけで適切なETFを独自の儲かるアルゴリズムに基づき自動に買い付けてくれるサービスである。また、定期的にリバランスも自動で行ってくれる。もちろん、ETFの銘柄選定の必要もなく、ユーザーがやるのは、入金とリスク許容度の設定だけである。

ロボアドバイザーは、長期にわたって積立投資を行う年金型の商品だ。短期で売買するためのものではない。

言い換えればロボアドバイザーは、
1) ユーザーのリスク許容度に応じてETFの買い付け
2) 買い付けたETFのリバランス
を行ってくれる年金型投資商品といえる。

つまり、ロボアドバイザーを理解することは、ETFリバランスについてを理解することと同義あろう。

ETF(上場投資信託)とは何か?

投資初心者の人には馴染みがないかもしれないが、このETFとは、上場投資信託といわれるもの。市場に上場しており、市場がオープンしている限りリアルタイムで取引ができる投資信託がETFといわれるものだ。

投資信託とは、ある特定のテーマに基づき株をパッケージ化し、みんなが投資信託という1つの箱(ファンド)に投資することで、少額でも分散投資ができる投資商品である。

例えば、日経平均株価というテーマで投資しようとした場合、投資信託を使わなければ、日経平均を構成する225銘柄の株を買わなくてはいけない。その一方で、日経平均株価連動する投資信託であれば、みんなで、その225銘柄に投資するファンドに投資するため、100円から投資することができる。

投資信託には、株だけでなく、金や原油などやREIT(不動産)などに投資するものもある。このようなものを組み合わせれば、少額で多数の金融商品に投資することができる。

なお、投資信託とETFの違いは、リアルタイムに取引できるか、できないかということ。投資信託は、1日、1回しか価格が変わらず、毎日1回のみが購入タイミングであるが、ETFは、市場が開いていれば、価格も変動し、いつでも売ったり買ったりできる。

WealthNavi (ウェルスナビ) やTHEO (テオ) も、どんなETFを買っているかは、実際にサービスを利用していると取引等のレポートが提示されるので、そこを見ればいつ何のETFを、いくらでどのくらい買ったかが詳細にわかる。WealthNavi (ウェルスナビ) とTHEO (テオ) は共に、アメリカ市場に上場しているETFを購入している

リバランスとは何か?

運用している際には、複数の金融商品に分散することが常である。その際にどうしてもパフォーマンスのばらつきが出てくる。その結果、設定していた分散方法をずれてしまう場合があり、それを直す行為をリバランスという。

例えば、運用資産を米国株50%、日本国債50%というルールで運用していたとする。この際に、例えば、米国株が値上がりした場合は、全資産に占める割合が、値上がりした米国株は60%になり、日本国債40%となる。つまり、米国株に資産割合が寄ってしまう。

このような場合に、米国株を売却して日本国債を購入し、米国株50%、日本国債50%というバランスに戻す行為をリバランスという。

リバランスは安定した運用パフォーマンスを出すために有効といわれ、ロボアドバイザーでは定期的にこのようなリバランスを自動で行ってくれる。

2. いくら投資したらよいのか?

WealthNavi (ウェルスナビ) やTHEO (テオ) も
初期投資で最低10万円以上の入金が絶対必要
というのが、最低の利用条件で、
・オプションとして月々1万円以上から積立設定ができる
ということになる。

月々の積み立ては特にしなくても、10万円以上残額があれば運用は始まっていくが、ロボアドバイザーは、長期、積立、分散をキーワードにしているため、月々ある程度の金額を積み立てていくのがおすすめである。これは長期にわたって、毎月積み立ていく、それをETFを使って分散することで、できるだけリスクを抑えていくというのが、ロボアドバイザーという商品の特徴でもある。

つまり、ロボアドバイザーは、基本的に売ったり買ったりではなく、少しずつ積み立てていくという年金型の商品だ。

投資金額についてはいろいろな考え方があるが、まずは、初期で10万円、月々1万円という最小限から始めて、そこで動きを見て、納得をしたうえで投資金額を増やしていくのが良いのではないか

いずれにしても売ったり買ったりする投資商品ではないため、毎月続けられる金額を投資(というか積立)していくことが前提になる。

3.自分で運用できないのか?

ロボアドバイザーが購入しているアメリカ市場に上場するETFは、ネット証券会社でも購入できる。何を買ったかも自分のロボットアバイザーの口座を見れば公開されている。

つまり、1%程度の手数料がかかるロボアドバイザーなんか使わずに、自分でできないのか? と考える人も多いだろう。これは実にいいポイントだ。こう考える人は是非とも自分でやる方法を検討するのが良いと思う。ちなみに、SBI 証券では、アメリカ市場のETFの定期購入サービスも展開している。

そもそも、ロボアドバイザーは、あくまでも、どの銘柄をどのくらい買えば良いのか?というのが、よくわからない投資初心者や、金融商品の知識があっても忙しくて自分で買付けやリバランスができないという人向けに、1%程度の手数料と引き換えに運用代行するサービスなのである。

投資経験と時間があれば自分でやればよいだろう。ただし、そのような人は多くないと思う。

ロボアドバイザーだけでなく、投資において「長期、積立、分散」は重要な考え方である。もし、あなたが初心者で、資産運用を考えるならばいろいろと考えるのではなく、まずは、ロボアドバイザーで1日でも早く投資家デビューするべきであると私は考えている。

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