皆さん、アメリカへMBA留学するといくらかかるかご存知だろうか?むしろ知らないほうがいいのかもしれない。
MBAのランキング上位校ならば、学費+生活費で2年間で2000万円程度かかるようだ(どんな自己啓発セミナーよりも高い...)。
もちろん、上位校でなければ学費が安くなり、地方ではあれば生活費もそれなりにやすくなるわけであるが、それでも2年間で1000万円から1500万円は覚悟しなくてはいけないのが相場だ(まだ、どんな自己啓発セミナーよりも高い...)。
つまり、一般庶民には、アメリカへのMBA留学というのは夢のまた夢ということになる。
ただ、お金が理由で、MBAの知識を得ることをあきらめるのはもったいない。私たちにはビジネス書≒MBA教科書という強い見方がある。
おすすめのMBA関連のビジネス書で、MBAの知識を独学で手に入れよう。
約5000円でアメリカのトップスクールのMBA留学のダイジェスト版の知識をゲット?
アメリカにMBA留学行く方に人気の予習本があることをご存知か?
これは、あまり英語が得意でない人が、いきなりアメリカに行ってもMBAの授業についていけないかもしれない。そこで、日本からアメリカに行く前に、MBAプログラムをこっそり予習しておくために使われるビジネス書である。
その教科書(ビジネス書)こそが、 10日で学ぶMBA (The 10 Day MBA) である。この本が人気の理由は、日本語版と英語版があることだ。まずは日本語で読んで、その後、英語を読めば、英語が苦手な日本人がより簡単に理解できる。そして、何より英語でのビジネス知識(MBAで学ぶこと)をより簡単な方法で手に入れることができる。
まず「10日で学ぶMBA」のカリキュラムを見てみよう。
10日で学ぶMBAのカリキュラム:
第1日 マーケティング
第2日 倫理
第3日 アカウンティング
第4日 組織的行動
第5日 定量分析
第6日 ファイナンス
第7日 オペレーション
第8日 経済学
第9日 戦略
第10日 MBAのミニコース
2年制MBAで1年目で学ぶMBA基礎科目を網羅している。まさに、MBAである。
10日で読み切れるかは別として、これを読めばMBAの基礎を独学で学べることは、間違いない。
ここからは、この「10日で学ぶMBA」を読んだ後に、理解できなかった場合や、より深く学びたかったりする場合に備えて、各授業についておすすめの補強教材(というかビジネス書)を紹介する。
わからなかったときや深堀り用のMBAの各教科ごとのおすすめ教科書(ビジネス書)の紹介
第1日のマーケティングを深めるためのMBAビジネス書
マーケティングは、コンテンツが膨大で学びにくいテーマである。1つ1つのテーマが難解だというよりは、テーマがたくさんありすぎるのがマーケティングである。
アメリカのMBAスクールなどの定番の教科書、 コトラー&ケラーのマーケティング・マネジメント 、もちろん、著者の一人は、フィリップ・コトラー教授 (MBAトップ校の ノースウエスタン大学ケロッグ経営大学院教授) は、1000ページ、約9000円の大著である。さすがに独習では読めないであろう。
そこでお勧めなのは、コトラーのマーケティング・コンセプトである。こちらのほうは、読みやすく、よりテーマごとに簡潔に書かれており、理解が進むのではないか。
第2日の倫理を深めるためのMBAビジネス書
MBAでは最もつまらない領域と見なされるビジネス倫理 (ビジネス倫理、英語では、Business Ethics) 。
アメリカ企業で不祥事が止まらないことからもビジネス倫理はMBAコースの中でも重要なのである。10日のMBAの速習コース中で2日目に位置することからもわかるだろう。
ただ、この教科については、倫理が大事ということを学ぶということが主眼なので、深堀する必要はなく10日で学ぶMBAで十分であろう。
ちなみに、ビジネス倫理が何かピンとこない人もいると思う。通常のビジネスマンだとあまりなじみがない領域であるからだ。代表的なものは「フォード・ピント事件」であり、ビジネスの経済合理性だけでない倫理的な側面を学ぶのが、ビジネス倫理である。
第3日のアカウンティング(会計)を深めるためのMBAビジネス書
MBAで多くの落後者を出す、アカウンティングとファイナンス。とにかくこの2教科は難しい。
ここでは、深堀をするよってできるだけ簡単なビジネス書で理解したい。「決算書がスラスラわかる 財務3表一体理解法」がおすすめである。
第4日の組織的行動を深めるためのMBAビジネス書
組織的行動と聞くとなんだ?と思うが、Organizational Behaviorの日本語訳と聞くとよりわかっていただけるだろう。 ちなみに、MBAでの略称はOBである。
このOBの鉄板的な教科書といえば、「組織行動のマネジメント―入門から実践へ」である。もし、組織に興味が出ればこのビジネス書を読むべきだ。
第5日の定量分析を深めるためのMBAビジネス書
定量分析は Quantitative Analysis の日本語訳。
数字を使って分析して答えを導き出す、訓練の授業である。いわば、Excelのゴールシークを使いこなし数学的にゴールを導きだすというのがわかりやすい説明だ。
このような内容についてのわかりやすいビジネス書として「定量分析の教科書」がある。
第6日のファイナンスを深めるためのMBAビジネス書
アカウンティングに引き続き、難しさがあふれるファイナンス。深堀するまでもなく、DCF、WACC、NPV、そういう基本的な用語の導き方とそもそもの意味がわからない、ということになるだろう。
そんな方には、「パンダをいくらで買いますか?」がおすすめ。これが私の見た中で一番簡単な本である。
第7日のオペレーションを深めるためのMBAビジネス書
どのようにすれば企業の競争力が担保できるのか?オペレーションは重要すぎるほど重要だ。ただ、このオペレーションというエリアは地味、かつ、MBAぽい領域のため、良書はない。 10日で学ぶMBAを反復して読むのをお勧めする。
第8日の経済学を深めるためのMBAビジネス書
経済学は難解である。そして話が大きすぎて何のために学んでいるかを見失いがちだ。ここではより簡単な「No.1エコノミストが書いた世界一わかりやすい経済の本」がおすすめである。
第9日の戦略を深めるためのMBAビジネス書
MBAとなると戦略は、MBAの1年目の授業の集大成としてケースを使ってなんてことになりがち。ただ、独習という視点に立てば、ケースを使って議論という方向ではなく、粛々と経営戦略を学びたい。それならばやはり「経営戦略全史」が秀逸。近代の経営戦略をすべて網羅し体系的に解説している名著である。
どうであったか? この記事で2000万円得したとは言えないかもしれないが、現実的な金額でMBAの知識が得れることは言えると考えている。是非とも、庶民のMBAに参加してほしい。
それでもあきらめきれない人は、こちらの記事から、ランキングトップ10のスクールを確認し、まずは学費を調べるところから始めてほしい。多分、この記事に戻ってくると思うが。。。