組織本・リーダーシップ論本

組織論を学ぶための名著10冊|ベスト&ロングセラーから厳選(2026年版)

2014年2月9日

組織論を体系的に学びたいが、どの本から読めばよいのかわからないと感じる人は多い。

書店やネットには「組織論の名著」「組織論のおすすめ本」が数多く並ぶが、理論の前提や対象読者が異なるため、順番を間違えると理解が断片化しやすい。本記事では、長年読み継がれてきた組織論の古典から、2020年代の組織環境に適応した最新の良書までを整理し、初学者から実務者まで役立つ必読書10冊を厳選して紹介する。

組織論とは何か|なぜ今あらためて学ぶ必要があるのか

組織論とは、組織がなぜ合理的に設計されているにもかかわらず、現場では非効率や混乱が生じるのかを、人の行動や意思決定の構造から解き明かす理論体系である。

戦略や制度だけでは説明できない、意思決定の遅れ、責任の曖昧さ、学習が進まないといった問題を扱う点に特徴がある。組織論は、経営学、社会学、心理学などの知見を取り入れながら発展してきた学際的分野であり、単なる理想論ではなく、現実の組織で繰り返し起こる失敗を前提にしている。リモートワークや自律型チームが広がる2020年代においては、管理や統制に頼らない組織運営が求められるようになり、組織論の重要性はむしろ高まっている。

経営、マネジメント、チーム運営を学ぶうえでの「軸となる一冊」を見つけるため以下の10冊をガイドとして活用してほしい。

目次:
組織論を知るためのベーシック、1冊
組織戦略の名著、2冊
実行できる組織のための1冊
現在の日本企業の陥りがちな企業風土の罠を学ぶ、1冊
強い組織になるための人生育成方法、1冊
モチベーションを考える、1冊
組織論のビジネス教養としての1冊
「2020年代の組織論」に対応した組織論本、2冊

組織論を知るためのベーシック

組織行動のマネジメント
MBAでは、組織的行動論(OB: Organizational behavior)という授業が必修科目として存在する。このOBは、人・組織はどのように行動し、それはどのように活性化してばいいかと多面的な方向(心理学や社会学)から考えていく学問である。その教科書ともいえるのがこの「組織行動のマネジメント」だ。

ビジネスマンとして、組織論についての網羅的に知識を持ちたいと感じるときには、まずこのOBの教科書が非常に参考になる。おすすめである。

組織戦略の名著、2冊

組織戦略は、経営戦略そのものである。複雑化するビジネスで、最大の資産は、人とその人を束ねる組織にあるからだ。紹介する2冊の本で、組織には知識と規律が重要なことが学べる。

知識創造企業
組織における知識について解き明かした名著。日本企業の成功の理由を「組織的知識創造」と定義し、其の知識をマニュアル化などによる「形式知」と個人の一人ひとりの体験に基づく「暗黙知」にわけ、それの相互作用が重要説く本書は、日本企業的な組織の強さについて語っている。

世界でもっとも有名な日本人経営学者、野中 郁次郎氏、竹内 弘高氏による著作。原書は英語で発表され、アメリカで高い評価を受けた。「日本企業がなぜ強いのか?」の基本を知ることによって、今低迷する日本企業に新しい活力をもたらすことが出来るかもしれない。
『知識創造企業』はなぜ名著とされるのか。詳しい書評はこちら。

ビジョナリーカンパニー4 自分の意志で偉大になる
純粋には組織戦略本ではないかもしれないが、卓越した企業に求められる規律を学ぶための良書といえるだろう。この本の中では、リーダー、そして、企業としての一貫した価値観、一環した目標、一貫した評価基準、一貫した方法の重要性を語っており、組織を構築する上で、参考になるビジネス戦略書である。
ビジネス戦略書の名著:ビジョナリーカンパニー4。詳しい書評はこちら。

実行できる組織のための1冊

実行力不全
いくら素晴らしい組織を作っても動かない。それは、組織に「実行する」という文化がないかもしれない。

「なぜ知識を行動に活かせないのか?」という普遍的なテーマを取り扱ったこの本は、どのように実行力ある組織づくりをしていけばいいのか? という点で非常に参考になる。硬直化した企業の方に特におすすめである。
実行力不全 - ビジネス書好きは読んでおきたい本。詳しい書評はこちら。

現在の日本企業の陥りがちな企業風土の罠を学ぶ、1冊

不機嫌な職場~なぜ社員同士で協力できないのか
現代の職場で「何が協力を阻害しているのか?」を解き明かしたビジネス書。特に年功序列、終身雇用制が崩れた後に日本企業で起こっている「協力しない」理由を解き明かしている。

協力を阻害している理由として、最近の職場におけるタコツボ化の進行などを例に上げ、そにより、協力しなくても良いという風潮が生まれているといった、組織的な問題であると説き、協力への道筋を事例などを元に解説している。
> 不機嫌な職場 - 協力できないワケとは?詳しい書評はこちら。

強い組織になるための人生育成方法、1冊

9割がバイトでも最高のスタッフに育つ ディズニーの教え方
数多くのアルバイトに支えられている東京ディズニーランドの運営。そのスタッフ育成方法について語ったのがこの本だ。

育成方法について「すべての人(社員、アルバイト、役職に関係なく)がリーダーシップを持つ」ということの重要を説き、自律的に行動するというスタッフ育成方法を解説している。強い組織を作るためには、やはり自律的に動けるスタッフの存在が必要だ。これについてディズニーランドから学ぶというのはどうだろうか?

モチベーションを考える、1冊

モチベーション3.0 持続する「やる気!」をいかに引き出すか
このアメとムチ的な考え方で作られたモチベーションアップ理論を前時代的なものであるとし、現在におけるモチベーション理論はもっと進化したものになると主張するのがこの本である。

その、新しいやり方とは、モチベーション3.0が必要であり、人間の動機づけ(モチベーションを上げる)には、アメとムチ(つまり、報酬と処罰)ではなく、人間の根底にある「学びたい、創造したい、世界をよくしたい」というモチベーションの源を刺激することが重要であるとしている。

組織のモチベーションを考えるときにも参考になるビジネス書である。

組織論のビジネス教養としての1冊

失敗の本質―日本軍の組織論的研究
非常に有名(売れている)書。読んでいる人も多いだろう。日本的組織における意思決定構造に注目し、戦略的な不合理性を炙りだしている。

この本では、
・ 感情的で戦略性に欠如した意思決定
・ 過剰な精神主義によるミスリード
・ 組織的な学習の欠如
などの日本的な組織にありがちな問題をバッサリと切っている。
> 失敗の本質 - 日本的な気合と根性による組織が失敗する理由。詳しい書評はこちら。

「2020年代の組織論」に対応した組織論本、2冊

恐れのない組織 -「心理的安全性」が学習・イノベーション・成長をもたらす
組織において「心理的安全性」が成功するためには必要だということを実証的に示した組織論の名著である。

本書の優れている点は、安心感を単なる優しさや甘さとして扱わず、学習速度・失敗の共有・イノベーション創出といった組織成果との因果関係で説明している点にある。人は失敗を恐れると沈黙し、組織は学習機会を失う。本書はその構造を、医療現場や企業の事例を通じて論理的に解き明かす。リモートワークが常態化し、対話の摩擦が増えた2020年代において、チーム設計の基礎理論として今なお参照され続ける一冊である。

ティール組織 - マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現
チーム組織体制を階層型マネジメントを前提としない「自律分散型組織」という概念を体系化した挑戦的な一冊である。

本書が描くティール組織は、上司による管理や命令ではなく、個々人の自律性と組織の目的意識によって運営される点に特徴がある。実在する企業事例をもとに、権限委譲や意思決定の在り方がどのように変化するのかを具体的に示しており、理念先行では終わらない説得力を持つ。一方で、成熟度や文化が伴わなければ機能しない点も暗示しており、導入には慎重な設計が求められる。組織の在り方を根本から問い直したい読者にとって示唆に富む一冊である。

まとめ:組織論を学ぶということ

組織論は、即効性のあるノウハウを与えてくれる分野ではない。人は合理的に動かず、組織は思い通りに設計できないという前提のもとで、どのような考え方や仕組みが「動く組織」なのかを学ぶ学問である。

本記事で紹介した10冊はいずれも、一時的な流行ではなく、時代や環境が変わっても読み返されてきたロングセラーである。組織づくりに正解はないからこそ、こうした名著を通じて思考の軸を持つことが、結果として強い組織をつくる近道になるだろう。

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