「良好(グッド)は偉大(グレート)の敵である」この言葉から始まる「ビジョナリー・カンパニー 2 - 飛躍の法則」。
この本は、この言葉どおりに良好な会社と偉大な会社の差は何があったのか(つまり、偉大な会社になるためにはどうすれば良いのか)というテーマで、膨大なリサーチを元に書かれた経営戦略ビジネス書である。
最新の書籍の帯によるとこの「ビジョナリー・カンパニー 2 - 飛躍の法則」は全世界で累計400万部販売されているという。経営戦略書では大ベストセラーと言っていいだろう。そして、2001年の発売以来、毎年のようにアメリカ、アマゾン・ドット・コムの総合ベストセラーリストに顔を出しているロングセラーなのだ(2012年のランキングは49位、詳しくはこちらを)
まず、この本ではこの本で提唱された概念である第五水準のリーダーシップの重要性について述べている。「個人としての謙虚と職業人としての意思の強さという矛盾した性格の組み合わせによって偉大さを持続できる企業を作り上げる」を実行できるということだ。
つまり、素晴らしい企業をつくり上げることの出来たリーダーは、謙虚さと不屈の精神を持っているのである。成功したリーダーと聞くと派手なイメージで、謙虚さという言葉とは無縁のイメージであるが、実際に調査によるグレートな経営者は、つまり、第五水準の経営者は、謙虚であるそうだ。詳しくは本書の中に様々な実例とともに紹介されているのを参照してほしい。
このようなリーダー像が調査から浮かび上がってきたというのはある意味驚きである。私達の経営者への印象は一変する。
そして、この本が本当にオススメなのは驚きの連続であるからだ。
・ チームとして「だれを選ぶか」を先に行い、その後「何をすべきか」ということを決めている
・ 経営陣の報酬と飛躍を結びつけるような一環したパターンは発見できなかった
・ 技術の変化を主因とする超優良企業の没落という見方を支える事実は出てこなかった
このような驚きが、これだけでなく数多く得ることが出来る。
経営者だけでなく、すべてのビジネスマンに読んでほしい理由が、この驚きだろう。繰り返しになるが、この本は膨大な調査結果から生まれたわけであり、本書を読めばちゃんとした論拠が詳しく書いてある。
数多くの人が読んでいる経営戦略書である本書、ビジネスパーソンなら一度は目を通したいものだ。特に膨大なリサーチ結果から、得られた共通項であるからこそわかる驚きの真実がこの本には隠されている。
非常に分厚い本であるが、各章の最後にはまとめがついており、一歩一歩理解しながら読み進めることが出来る。そういった意味でも名著である。
尚、現在、4冊発行されているビジョナリー・カンパニーシリーズの中でも世界で最も売れたのがこの「ビジョナリー・カンパニー 2 - 飛躍の法則」である。
■ 発売日
2001年にアメリカで発売された。タイトルは「Good to Great: Why Some Companies Make the Leap...And Others Don't」であり、訳すれば「偉大と良好の間(にあるもの)、なぜある企業は飛躍を遂げ、ある企業はそうでないのか」という形になるだろうか。原書は、赤い表紙で非常に目立つ本である。筆者のジム・コリンズ氏は元スタンフォード大学教授。現在は、経営に関する研究所を主宰している。
大ヒットした本だけに原著も日本のアマゾンから購入できる