ビジネス書好きであれば必ず知っている競争戦略であるランチェスター戦略。経営理論としては日本では成長企業を中心に大人気のモデルだ。
この経営理論は、ランチェスターの法則を元にしている。ランチェスターの法則は、ランチェスター氏によって1914年に発表された「攻撃力」は、「兵力の数」と「武器性能」によって決まるとされた数式である。
ランチェスター氏は、第1次世界大戦勃発を期に分析を行い、戦闘における勝敗を分けるモデルづくりを行った。このランチェスターの法則は、その後の戦闘計画に大きな影響を与え、後世においては幅広い研究もおこなわれ、実際に、第2次世界大戦の硫黄島の戦いを用いたモデルなどで、有効性が実証されている。*
このランチェスターの法則を発展させたのがクープマンモデル。クープマンモデルでは、補給率など長期的にわたる戦闘において考慮する要素を含めた数式である。**
この2つの法則を元に、その原理原則を経営の世界の応用したのが、日本人コンサルタントの故田岡信夫氏。戦闘ではなく、企業に間における販売競争に打ち勝つための理論として、田岡氏が構築したのが、ランチェスター戦略というわけだ。ランチェスター戦略は、日本で独自に生まれた経営戦略である。
このランチェスター戦略は、成長企業が”勝つ”ための営業戦略として日本で大人気のモデルである。ただ、経営戦略は、とにかくとっつきにくい。
そこで、今回紹介するのは、誰もが知っている「ジャパネットたかた」をモデルにこのランチェスター戦略を解説した「ジャパネットたかた すごい戦略」である。
地方の小さなカメラ屋から、日本を代表する小売企業になった「ジャパネットたかた」の成長戦略をこのランチェスター戦略を活用しながら解説しているため、ランチェスター戦略がとても分かりやすく入ってくるのが本書の特徴だろう。
* 詳しくはWikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/ランチェスターの法則 がわかりやすい。
** https://ja.wikipedia.org/wiki/クープマンモデル