経営戦略

イノベーションとマネ(模倣)の新しい関係

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イノベーションと聞くと全く新しい概念を作り上げるという印象を受ける。その一方で、模倣というとイノベーションと正反対のイメージである。

しかし、本書「コピーキャット: 模倣者こそがイノベーションを起こす」は、イノベーション(革新)+イミテーション(模倣)を組み合わせイモベーションという言葉を提案しており、イノベーションを起こすためにイミテーション(模倣)は必要だとしている。

新しい概念だろう。

誤解をする人も多いと思うので、模倣というは「まねすれば」という簡単なものではない。

本書では、その例として、米国で大成功した、格安航空会社サウスウェスト航空とその成功を見て、そのサウスウェスト航空のビジネスモデルを帆申して作られた格安航空会社について紹介されている。サウスウェスト航空は、一見すると模倣しやすいシンプルなビジネス構造(例えば、使用する飛行機の機種を1機種にしぼる、サービスを最低限にしコストを削減する)をしているが、実際には、すべての模倣者が成功した訳ではない。つまり、模倣するのにも模倣戦略があるということだ。

また、このサウスウェスト航空も先行して失敗した格安航空会社を模倣した所もあるという。

このようにコピーキャットは模倣をビジネス戦略として分析し、模倣戦略をイノベーションを起こすという視点から詳細に解説する非常にユニークな経営戦略書だ。

■ 発売日
原書「Copycats: How Smart Companies Use Imitation to Gain a Strategic Edge」は、2010年にアメリカで発売された。

版元はあのハーバードビジネスレビューも発行するHarvard Business School Publishing。著名な版元だ。著者のオーデッド・シェンカー氏は、オハイオ州立大学フィッシャー・カレッジ教授。

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