経営戦略

ザ・ゴール ― 最大のスループットを得るためにボトルネックを探せ

投稿日:2013年9月25日 更新日:

ザ・ゴールは一言で言えば、生産管理をテーマにしたビジネス小説である。いかに工場において生産効率を上げるかという命題に対して、小説の体裁でそのノウハウを得ることが出来る。

主人公は、赤字続きの工場のマネージャー。工場の閉鎖という危機に直面し、効果的な生産管理的な手法を導入して工場を再建するという話だ。その中で、子供のボーイスカートのキャンプについていって、引率をする中で「ボトルネック」(詳しくは後述する)を体験し、これによって全体の引率のスピードが上がるだけでなく、工場の生産効率もあがるという、読者を空きさせない仕掛けがある。

また、夫婦の問題なども絡み、非常に小説としてだけでも読み応えがある。

この本を一言で言えば、「全体最適化:全体の業務の進行を妨げているボトルネックな事項を特定することが重要」ということになるだろう。

個別の業務を最適化して効率が上がったとしても、ボトルネックの場所で止まっていれば、最終的なスループットが生まれず、在庫や作業経費が余計にかかる。逆に言えば、全体の業務を見渡しボトルネックを特定・改善しないと、個別業務の改善(個別最適化)は無意味なのである。

この内容は、制約理論、 TOC (theory of constraints)として知られ、ある生産に対して、1つ以上のボトルネックがあり、それが生産効率を阻害しているということだ。このTOCという考え方は、Wikipediaに記事があるほどの有名な考え方なのである。

そして、ここでいう生産という概念は、工場だけでなくあなたの日常にも当てはめることができる。例えば、あなたがレポートをつくり販売するという仕事をしていたとしよう。チームで作っている際には、さまざまな情報としての入力、出力がある。なぜか、期日どおりにレポートができない。よくよく見てみると、リサーチをする人が非常に忙しくて、実際にレポートを書く人にオンタイムで情報を提供していない。こういった場合は、レポートを書く人を増員しても問題は解決しない。なぜならボトルネックはリサーチチームだからだ。

このように人と人が絡み合っている仕事では、ボトルネックはおきやすいと感じる。是非、ザ・ゴールを読んでいただきたい。

■ 発行日
オリジナルは1984年の発行。それから30年も読まれているビジネス小説の名著である。

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