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アメとムチのモチベーション理論からの脱却すすめ

アメとムチ、あまりいい意味では使われないが、「報酬を望み懲罰を恐れる」ということであろうか。そして、このアメとムチという考え方が、現代においてモチベーション(やる気)を考える際に根本にあると言っていいだろう。

アメ(つまりダイレクトな報酬) 成果を出したら給料上げてやるから頑張ってやれよ / いい子にしてればあめあげるよ
ムチ(つまりダイレクトな罰則) 成果が出なかったら首切るから頑張ってやれよ / 悪い子になるとおしりペンペンするよ

非常にシンプルであるが、多くの組織、多くのリーダーの頭の根底にあるモチベーションアップためのやり方がこの考え方だろう。

しかし、この「モチベーション3.0」では、このアメとムチ的な考え方で作られたモチベーションアップ理論をモチベーション2.0と定義し、それも前時代的なものであるとしている(もちろんこれが現在でも機能するところもあるだろうが)。

そして、現代においてモチベーションを上げるためには新しいやり方、モチベーション3.0が必要であり、人間の動機づけ(モチベーションを上げる)には、アメとムチ(つまり、報酬と処罰)ではなく、人間の根底にある「学びたい、創造したい、世界をよくしたい」というモチベーションの源を刺激することが重要であるとしている。

このモチベーション3.0を実現するための3つの要素があるとしている。
自律性 自由に自律的(主体的、主導権、自己決定を持って)に仕事をできることがモチベーションアップにつながる
マスタリー(熟達) 積極的な関与により物事に熟達(習得し精通すること)することがモチベーションアップにつながる
目的 目的こそがモチベーションアップにつながる

モチベーション3.0」の原題は「Drive: The Surprising Truth About What Motivates Us」であり、直訳すれば「動機付ける:モチベーションを与えるための驚くべき真実」となるのではないか?

是非、周りの人がモチベーションが低いと感じる時や、自分自身がモチベーションが低いな感じた時も読んでほしい本である。

■ 発売日
モチベーション3.0」の原書「Drive」は2009年にアメリカで発売されベストセラーとなった。2010年のアマゾン・ドット・コム(アメリカ版)の総合ベストセラーランキングで41位となっている。

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