採用基準。知りたいテーマだ。どいうやったらよい仕事(まあ、良い仕事の定義はいろいろあるだろうが)を得られるかはビジネスマンの最大の関心と言っていいだろう。
更にあの有名なコンサルティングファーム、マッキンゼー・アンド・カンパニーの採用担当者を長年勤めた筆者(伊賀 泰代氏)の意見ならより知りたいということだろう。
この「採用基準」の冒頭は、まず一般的に信じられているある事実をまず否定している。え、そうなの?と思うかもしれないが、採用の責任者が書いたことだからこそ説得がある。それは、
「マッキンゼーも地頭が良ければ採用したいと考えているわけではないのです」
ということだ。著名なコンサルティングファームは「いわゆる頭のいい人=地頭のいい人」を積極的に採用しているイメージがある。しかし著者が提示するマッキンゼーの採用基準は、
「将来のグローバルリーダー」
である。そして、リーダーだけに、その中でのリーダーシップの重要性を解いている。
リーダーシップと言うと、リーダー的なポジションに座る人のみに求められる気がするが、本書の「採用基準」ではチームすべての人がリーダーシップを持って自分の仕事に取り組んで行く必要があると述べる。また、リーダーシップが問題解決に非常に重要だとも述べている。
現実問題として、リーダーシップは一般のサラリーマンには非常に荷が重い問題だ。しかし、本書では、リーダーシップは学べるスキルと定義されている。学べたとしても荷が重いのは事実だが。。。
いずれにしても、コンサルティング会社の頂点であるマッキンゼーが求める採用基準は高いものであることは事実のようだ。尚、当書の冒頭に筆者にはマッキンゼー社と守秘義務契約があることが述べられており、マッキンゼーの採用基準が事細かいに書いて割るわけではない。まあ、筆者によると”「マッキンゼー入社」を目標にしている人は採用されない”とあるので、まあ、そういう意図で本を買っうような人はマッキンゼーの入社試験には受からないということか。
私はこの本の「採用基準」を、将来、グローバルスケールで活躍したいという若者の採用基準ということで理解した。
■ 発行日
2012年11月発行。