なぜ日本企業は強いのか、それは知識創造企業だから

公開日: : 最終更新日:2013/12/29 経営戦略

日本人による日本人のためのビジネス戦略の名著といえばこの「知識創造企業」がまずあげられるだろう。1995年に発売された(日本語版は1986年)この書籍は、「なぜ日本企業は強いのか=イノベーションを生み出してきたか?」というテーマで日本だけでなく、アメリカでも高い評価を得た経営書だ。

著者は、日本を代表する経営学者である2人、野中郁次郎氏(現一橋大学名誉教授)と竹内弘高氏(現ハーバード大学ビジネススクール教授)である。

この本の序文で「知識創造企業」は、1986年に2人の著者がハーバード・ビジネス・レビューで発表したした論文「新しい新製品開発ゲーム(原題:The New New Product Development Game)」というというのが基礎になっていると紹介される。この論文は、今を注目されているシステム開発手法である「スクラム」の元になった論文でもあり非常に知名度が高い論文でもあり、日本の企業の競争力源泉である解き明かした論文として評価が高い。

スクラムはラグビーのスクラムからとった用語で、ラグビーボールの動きがそれぞれのチームプレイヤーの連携から生まれることからこのような命名になった。この論文では、それぞれの専門性の高い人がチームが1つのチームを構成し、その人々が相互に連携し合いながらプロジェクトを進める重要性を解いている。そして、チームに自律的に動ける環境をつくり、チームが学習し、その学びを組織で共有することの重要性を解いている。

このような日本企業は、知識を単に処理するだけでなく創造するというのが本書の主張だ。そこで重要なのは2つの知識タイプ(形式知/暗黙知)とそれの2つの知識の相互作業が知識創造の鍵と説いている。

このように「知識創造企業」では、知識にフォーカスし組織でどのようなイノベーションが起こるかということを解き明かし、それが日本企業の強みの源泉であるとしている。輝きを失ってしまった日本企業にお勤めの方に読んでほしい一冊だ。

尚、野中郁次郎氏は、今なおベストセラーをである旧日本軍の組織的な失敗を解き明かした「失敗の本質」の共著者の一人であり、日本的な組織の限界点についての見識も深い。「知識創造企業」の中でも旧日本軍の組織的な問題については言及されており、過去の成功体験に過剰適応し、新しい環境の中でそれらの成功要因を「学習棄却」することに失敗したとしている。

■ 発行日
この「知識創造企業」は、日本代表する経営学者である野中郁次郎氏(一橋大学名誉教授)と竹内弘高氏(ハーバード大学ビジネススクール教授)の共著の本である。しかし、オリジナルは日本語版ではなく1995年に出版された英語版の書籍「The Knowledge-Creating Company: How Japanese Companies Create the Dynamics of Innovation」(直訳すれば、知識を生み出す企業 – どのようにして日本企業はイノベーションの原動力を作っているのか)である。

アメリカでもヒットし、日本でもヒットしたビジネス経営書の名著といえるだろう。

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