最近出版された常識を覆すイノベーション&経営戦略書

公開日: : 最終更新日:2014/02/10 経営戦略

今、企業において一番重要なものは何か? それはイノベーションだろう。特に成熟した日本市場でこれからビジネスをのばすためには、イノベーションが必要だ。

そこで、2012年、2013年に和書が発売されて、これまでのイノベーションを起こす経営戦略にインパクトを起こしたと考えられる3冊の本を選び紹介したい。

1冊目:コピーキャット: 模倣者こそがイノベーションを起こす
原書発行年:2010年
原書名:Copycats: How Smart Companies Use Imitation to Gain a Strategic Edge

この本は、イノベーションの考え方を根本的に変えてくれる。

今まで、イミテーション、つまり、模倣は、イノベーションの反対のものとして捉えられていた。つまり、イノベーションを推進してきたイノベーターは、模倣者(イミテーター)から身を守るためにもっとイノベーションを進めなくてはいけないというようなイメージが世の中には確立している。

つまり、産み出す人、イノベーターと真似る人、イミテーターは別の人間だということだ。

本書では、イノベーションを起こすためにイミテーション(模倣)は必要だとするのが本書の主張。つまり、イノベーションの一つの要素としてイミテーションを位置づけているのだ。

この本では、イノベーション(革新)+イミテーション(模倣)を組み合わせイモベーションという言葉を提案している。日本語の響きは若干悪いが、新しいイノベーションの考え方である。

本書では様々な模倣戦略を解説している。また、永続する企業として模倣することは簡単ではないことも、この本を読めばわかる。

2冊目:リバース・イノベーション 新興国の名もない企業が世界市場を支配するとき
原書発行年:2012年
原書名:Reverse Innovation: Create Far from Home, Win Everywhere

この本から学べるのは新しいグローバル化の進め方だ。今まで多くの企業のグローバリゼーションの考え方は、グローカリゼーション、つまり、先進国で設立された企業が、先進国で企画開発された先進機能を含んだ商品を、うまく新興国のマーケットに合わせて販売するという形である。

これに対抗して、この本で語られている「リバース・イノベーション」は、最初に新興国のマーケットに合わせて、簡素で品質的に十分な製品を開発し、新興国からグローバル市場に進出しようというものだ。

本書はこのグローカリゼーション戦略を完全に否定しているわけではない、このだけでなく、新興国で市場を獲得するために「リバース・イノベーション」も実施するべきだと主張している。

3冊目:ワイドレンズ: 成功できなかったイノベーションの死角
原書発行年:2012年
原書名:The Wide Lens: A New Strategy for Innovation
やるべきことををやったのにイノベーションに失敗する、としたらどうするべきか? それはこの本にヒントがあるかもしれない。「1. 最初に顧客を考えろ、2. 約束を果たせ、3. 競合よりも良い仕事をしろという成功の決まり文句は、あらゆる組織で繰り返されている。」から始まる本書は、すべて正しいことをしたのに、なぜ失敗するのか?というところから始まる。

そして、本書では、イノベーションを成功に導くために、他の企業とのコラボレーションの重要性、そして、自社が存在するエコシステム全体を理解する必要があると主張する。

関連記事

戦時のCEOの教科書 – HARD THINGS

戦時のCEOのための新定番とも言えるのがこの「HARD THINGS 答えがない難問と困

記事を読む

ザ・ゴール ― 最大のスループットを得るためにボトルネックを探せ

ザ・ゴールは一言で言えば、生産管理をテーマにしたビジネス小説である。いかに工場において

記事を読む

なぜ日本企業は強いのか、それは知識創造企業だから

日本人による日本人のためのビジネス戦略の名著といえばこの「知識創造企業」がまずあげられる

記事を読む

なぜ優良企業こそが衰退するのか – それがイノベーションのジレンマ

成功を収め、大きなマーケットシェアを持っている業界トップの優良企業。この企業が、保有するその優れ

記事を読む

優良企業が衰退した共通の理由とは – ビジョナリー・カンパニー 3 衰退の五段階

全部で4作出版されているビジョナリー・カンパニー シリーズ。1作目、2作目、4作目は成

記事を読む

起業したい人におすすめの100万部超のベストセラー – 初めの一歩を踏み出そう

新しい会社はなかなか成功しない。 多くの人が同意する意見だろう。しかし、現実にはメ

記事を読む

ビジョナリー・カンパニー

世界でも最も読まれている経営戦略書の1つである「ビジョナリー・カンパニー」シリーズ。

記事を読む

戦略的思考を学び、それを企業経営に活かしたいとお考えの方への良書:企業参謀

大前研一氏といえば日本が世界に誇るビジネスシンカー。 この大前氏は、マッキンゼー・

記事を読む

MBA を短期間で学ぶ

これが本当のMBA速習(英語でも) – 10日で学ぶMBA

いつかは、海外のMBAスクールに行ってみたいと思う人も多いだろう。そんな人々へ、MBA

記事を読む

エクセレント・カンパニー すごい企業の共通点をあぶり出す

エクセレント・カンパニー は、元マッキンゼーのコンサルタントであるトム・ピーターズ氏がか

記事を読む

no image
馴染み深い効率性の追求は正しいのか? TEAM OF TEAMS

軍隊の組織的な研究は、失敗の本質など、有名な著書がある

将来に対しての不安の実態は何か? それを解決するために

日本社会が低成長に入り、年を取れば給料が上がるという時代は過ぎ去った。

アメリカのベストセラービジネス書はこれだ (2017年度版)

アメリカのビジネス書ランキングを知ることは、日本のビジネス書の将来のラ

悪いヤツが出世する!?

悪いヤツほど出世する。そういわれてしまえば元も子もない

Google からビジネスを学ぼう

誰もが知っているビジネスの優等生米国グーグル社。検索エンジン市場を支配

戦時のCEOの教科書 – HARD THINGS

戦時のCEOのための新定番とも言えるのがこの「HARD T

できるだけやらないことが成果を産む? エッセンシャル思考

湧き上がる仕事、この仕事にどう対処するか? 今、こん

アメリカのベストセラービジネス書はこれだ (2015年度版)

2015年、ビジネス書の本場とも言えるアメリカではどのような本が売れた

フォロワーシップ:チーム強化のために上司も部下も知っておきたいこと

リーダーシップという言葉を聞いいたことがないという人はいな

新しい働き方:小さなチーム、大きな仕事

新しい働き方を説く本は多い。しかし、それを実践するのは難しいだ

→もっと見る

PAGE TOP ↑