ビジネス教養書

デザイン思考がイノベーションを支える

IDEOという会社をご存知だろうか? IDEOは、アメリカの西海岸、シリコンバレーに本社を置く、デザインコンサルティング会社である。

デザイン会社といえば、単に広告のデザインや製品のデザインの作業を行う会社という印象を受ける。デザインコンサルティング会社のIDEOの業務はそれよりもかなり幅広く、ある特定のビジネス課題に対してデザインの分野から解決策を提供するコンサルティング会社と言っていいだろう。

イノベーティブな商品・サービスを次々に産み出す仕事ぶりから、イノベーションを継続的に起こす会社と注目されている。過去には、アップル社の初めてのマウスや、パーム社のPDA(Palm V PDA)などがIDEO社のプロジェクトから生まれた。あの、無印良品の壁掛け式CDプレーヤーも、IDEO社のプロジェクトから生まれたということだ。

この「デザイン思考が世界を変える」は、そのIDEO社のCEOであるティム・ブラウンの著書であり、デザイン思考という言葉が日本でヒットする元となった本ともいえよう。

本書では、「失敗が成功の早道でありプロトタイプを作って繰り返しチャレンジすることの重要性」や「ブレインストーミングを通じて数多くのアイディアを出す、それは、良いアイディアを生み出すためには、数多くのアイディアを試さなくてはいけない」など、アイディア思考からのイノベーションへのアプローチについて解説している。

ますます、情報が溢れ複雑化する時代の製品やサービスは、人間中を中心に据えた心地良いデザインが求められている。つまり、デザインの視点からビジネス課題を解決する重要性はますます大きくなってきており、この「デザイン思考」の重要性がますます高まっていくのではないか?

そのような視点からも「デザイン思考が世界を変える」は、注目のビジネス書だ。

■ 発売日
原著は、「Change by Design: How Design Thinking Transforms Organizations and Inspires Innovation」として、2009年にアメリカで発売された。直訳すれば、「デザインによって変えろ! - デザイン思考がどのようにして組織的な変身やイノベーションのひらめきを与えるのか?」というところだろうか。著者は、繰り返しになるが、IDEO社のCEOであるティム・ブラウン(Tim Brown)氏である。

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