失敗の本質 – 日本的組織について学ぶ

公開日: : 最終更新日:2013/12/24 組織・リーダーシップ論

「第二次世界大戦で旧日本軍がなぜ敗北したか?」というのお題に対し、キーとなる6つの戦い(ノモンハン事件、ミッドウェー作戦、ガダルカナル作戦、インパール作戦、レイテ海戦、沖縄戦)を組織的な欠陥から解き明かそうというのがこの「失敗の本質―日本軍の組織論的研究」である。

この「失敗の本質」が名著である理由は、その敗北の理由を組織論、そして、組織的な意思決定構造に注目した点である。日本的な
・ 感情的で戦略性に欠如した意思決定
・ 過剰な精神主義によるミスリード
・ 組織的な学習の欠如
などさまざまな問題をあぶり出し、戦略的な不合理性が炙りだしている。

戦争や歴史をそのままビジネスに活かすというのは実は難しい。戦争とビジネスは本質的に違うものである。しかしながら、現在のビジネスにおける組織構造に対してこの「失敗の本質」役に立つことは間違いないだろう。

■ ここがお勧め:日本的な組織をバッサリ
悪くも良くも体育的な根性論に陥りがちな日本人、そして日本的な組織をバッサリと批判してくれるところがこの本の良さでもある。ほんとうの意味での戦略性が何かを感じさせてくれる。

この本が、注目されてきたのは、バブル経済崩壊後、低迷する日本企業の戦略決定と照らし合わせた読者が多いからだろう。

ジャパン・アズ・ナンバーワンと歌われたバブル経済下の日本企業は、一時的には世界的覇権を握った。しかし、その後のIT革命、インターネットの勃興による、ハードウェアからソフトウェアのシフト下で、輝きを失った。スピードが重要となる、グローバル経済下で多くのグローバル企業は、戦略的な選択と集中、創造的な破壊と業務革新(イノベーション)を行っている。

現在、戦略性(選択と集中)と判断の速さがキーとなり、これが組織的に欠けているのではないかと感じているビジネスマンも多いだろう。このことを旧日本軍という題材を使いながら「失敗の本質」は私達に語りかける。

■ 続編の「戦略の本質」もおすすめ
待望の続編とも言える「戦略の本質」が2005年に発売された。

この「戦略の本質」では、当時、勝利することが難しかったと考えられる戦い、中国の内戦における国民党と共産主義勢力の戦い、バトル・オブ・ブリテン、スターリングラード攻防戦、朝鮮戦争、ベトナム戦争、第4次中東戦争などを題材に、どのようにして逆転した戦いのリーダーシップについて解説している。

■ 発刊日
「失敗の本質」の発行は1984年。皮肉にも日本が最も繁栄するバブル経済前夜である。何れにしてもロングセラーであることは間違いないだろう。

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