「企業の変革、組織の変革」、いま企業にもっとも求められていることだ。
これだけ変化が激しい世界で、ずっと同じようにビジネスを実行して行くのは難しい。そんなことが分かっていても、自分の仕事のやり方が変わると聞けば、抵抗する人も多いだろう。つまり、「変革を求められている、しかし、変革が難しい」というジレンマはビジネスにおいて普遍的なように思える。そして、最も重要なのが年々「変革」に対する要求が高まっていることだ。
今回ご紹介する「企業変革力」は、この企業変革に関するビジネス書の古典的名著といえるだろう。この本のオリジナルの発売は、1996年と今から18年前のことであるが、現在でも組織変革に関する名著として多く支持を集めているといえるだろう。
まず、本書ではなぜ企業変革がうまくいかないかを以下の8つのポイントとしてまとめている。
従業員の現状満足を容認する
変革推進のために連帯を築くことを怠る
ビジョンの重要性を過小評価する
従業員にビジョンを周知徹底しない
新しいビジョンに立ちはだかる障害の発生を許してしまう
短期的な成果をあげることを怠る
早急に勝利を宣言する
変革を企業文化に定着させることを怠る
(本書P36より)
そして、それに対して、第2部として8段階の変革プロセスについて述べている
危機意識を生みだせ
変革を進めるための連帯
ビジョンと戦略を作る
ビジョンを周知徹底する
従業員の自発を促す
短期的な成果の重要性
成果を活かしてさらに変革を進める
新しい方法と企業文化
(本書の目次より抜粋)
変革におけるリーダーシップの重要性も説かれている本書において、学習を続ける意志と能力の重要性についても述べられている。数多くの本でも議論されているが、リーダーシップは生まれ持った物ではなく、リーダーになるものである。
今から18年以上に書かれた本であるが、ビジネスマンにお勧めの名著といえよう。
■ 発売日
経営書の名著ともいえる本書「企業変革力」の原著「Leading Change」は、1996年に発売された。著者のジョン・P・コッター氏は、現在は、ハーバードビジネススクールの名誉教授を勤めている。