経営戦略本

優良企業が衰退した共通の理由とは - ビジョナリー・カンパニー 3 衰退の五段階

全部で4作出版されているビジョナリー・カンパニー シリーズ。1作目、2作目、4作目は成功する企業の共通項を法則を導き出した経営戦略書である。

それに対して、この3作目「ビジョナリーカンパニー3 衰退の五段階」は、かつて超優良と思われていた企業がどのようにして衰退したかを解き明かした本である。

この「ビジョナリーカンパニー3 衰退の五段階」によると、衰退には5段階あり、最初の段階が一番見つけるのが困難であるが、対処が優しく、段階が進むにつれて、発見は簡単になるが、対処が難しくなるという。

第一段階 成功から生まれる傲慢
第二段階 規律なき拡大路線
第三段階 リスクと問題の否認
第四段階 一発逆転策の追求
第五段階 屈服と凡庸な企業への転落か消滅

この5段階の詳しい説明は本書を読んで頂きたいのだが、本書の中にはふんだんに経営判断を誤ったケースが登場する。また、似たような企業で成功した例と、失敗した例の対比もたくさん登場する。これは非常に貴重だ。

なぜなら、日本人的な発想だと、ただ、とにかく失敗を恐れてしまう。しかし、失敗の過程を知っていれば失敗を避ける事ができる。その意味で「ビジョナリーカンパニー3 衰退の五段階」は秀逸な経営戦略書といえるだろう。

そして、巻末には、IBM(ハイテク)、ニューコア(鉄鋼)、ノードストローム(百貨店)といった著名企業の「衰退と回復」の過程について解説があり、本書の内容が復習できる。

なお、衰退にするのには理由があると思う。単なるアンラッキーやラッキーだけでなく、理由が。つまり、成功だけでなく失敗から学ぶという点で、この3冊目のビジョナリー・カンパニーの読む価値は高いと思う。

尚4冊目のビジョナリー・カンパニーシリーズ、「ビジョナリーカンパニー4 自分の意志で偉大になる」の中には、運についての記載もある。こちらも合わせて参考にしたい。

■ 発売日
2009年にアメリカで発売された。タイトルは「How The Mighty Fall: And Why Some Companies Never Give In」であり、訳すれば「どのようにして偉大な(企業)は没落したのか、そして、なぜいくつかの企業は没落しなかったのか」という形になるだろうか。原書は、黒い表紙で非常に目立つ本である。筆者のジム・コリンズ氏は元スタンフォード大学教授。現在は、経営に関する研究所を主宰している。

大ヒットした本だけに原著も日本のアマゾンから購入できる

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