アメリカのベストセラービジネス書はこれだ! 最新版はこちらからご覧ください。
アメリカのビジネス書ランキングを知ることは、日本のビジネス書の将来のランキングを知ることにもなる。ということで、今回は、2017年度版のアメリカビジネス書ランキングである。
ランキングの生成方法は、以前と同じく、世界最大(アメリカ最大)の書店、Amazon.comの2017年ベスセラーランキング100位から、ビジネス書を抽出して解説してみたい。つまり、順位は、総合のベストセラーランキングの中で何位だったということになる。
なお、 2012年度版、2013年度版、2015年度版と比較して見るのも楽しいかもしれない。
13位 You Are a Badass: How to Stop Doubting Your Greatness and Start Living an Awesome Life
自己啓発書というカテゴリーに入りそうな本。作者は、アメリカで success coach(サクセス コーチ)として名高い、ジェン・シンセロ女史。日本語版「YOU ARE A BADASS もっと「自分のため」に生きていい!: すると、才能、自信、お金……必要なものが必要なときにやってくる」も出版されている。自分の理想を実現したい人におすすめの書とのことだ。
この本は、日本でのベストセラーランキングには出てこないものの、アメリカでは大ヒット。自己肯定感が少ない人には、是非ともお勧めしたい自己啓発書の名著である。
18位 How to Win Friends & Influence People
定番中の定番のビジネス書「人を動かす」。今年は、全体の中で18位にランクインしている。
この「人を動かす」では、人を動かす原則、好かれる原則、説得する原則などを解説している。まさに、人を動かす、つまり、どのようにして人間関係を築いていけばよいかの示唆を与えてくれる自己啓発書である。人を動かす原則、好かれる原則、説得する原則という、人間関係の原則を教えてくれる。
日本でも大ヒットの「人を動かす」の発売は1936年。つまり、今から80年以上も前に出版されて現在も売れ続ける超ロングセラー。
アメリカでも、日本でも、自己啓発書の鉄板というわけだ。
アメリカのベストセラー、ロングセラーの「StrengthsFinder」の改訂版。日本では長らく、1.0にあたるバージョンしか発売されていなかったが、この2.0の日本語版も2017年4月に発売された。
StrengthsFinderのコンセプトは、弱みを克服するのではなく、強みを活かして活躍しろという自己啓発書&キャリア育成本だ。
このビジネス書が秀逸な点は、強みを活かして活躍しろと言われても、そもそも、自分の強みがわからない、という超基本的な問題を解決している点だ。
というのも、この本を買えば、自分の強みを特定するためのテストが受けられ、その結果、自分の強みが発見できるのである。まさに「StrengthsFinder」なのである。
なお、この本を買うときは、できれば新品の本を買ったほうが良い。本にオンラインテストを受けることができるコードが付いていくるのであるが、それが1回しか使えない。その為、新品のユーザーがテストを受けていた場合は、中古の本に乗っているコードを使ってもテストは受けられない。
29位 Option B: Facing Adversity, Building Resilience, and Finding Joy
「LEAN IN(リーン・イン) 女性、仕事、リーダーへの意欲」という本を覚えている人も多いだろう。著者は、シェリル・サンドバーグ。アメリカのFacebookのCOOが書いたキャリア本として、日本では、2013年に発売されて働く女性のロールモデルとしてベストセラーになったビジネス書だ。
そのシェリル・サンドバーグとGIVE & TAKE 「与える人」こそ成功する時代(本ブログによる書評はこちら)のアダム・グラントの共著書が、この「OPTION B(オプションB) 逆境、レジリエンス、そして喜び」だ。最愛の夫の死から始まった絶望をどのように乗り切るか、人生のオプションB、次善の選択肢について、教えてくれる。
LEAN INは、日本で大ヒットしたが、このOPTION Bは、日本では不発気味。
49位 The 7 Habits of Highly Effective People: Powerful Lessons in Personal Change
全世界で大ヒットとなっている自己啓発書。スティーブン・R・コヴィーの7つの習慣という本を知っているか?と聞いて、知らないと答える人のほうが難しいだろう。今回、18位のディール カーネギーの「人を動かす」を動かすと共に自己啓発ビジネス書の鉄板といえよう(参照:ビジネス書 累計ベストセラーランキング)。
実際に、自己啓発書として必ず毎年100位以内にランクインする。自分の内面を変え、そこから外側(他人や外部環境)に影響を及ぼすことの重要さや、人生をより実りあるものにするための7つの習慣を説いている。読んでない人がいたらMUSTと言えるビジネス書である。読む機会を逸している人には漫画版もおすすめだ。
「ファスト&スロー」は、行動経済学の大家であるダニエル・カーネマン教授による、人間の選択に関して解説。より良い選択をできるための名著。
73位 Mindset: The New Psychology of Success
マインドセット「やればできる! 」の研究は、成功心理学の名著。2006年に発売以来売れ続けている。
「しなやかマインドセット」を持ち、人間は変われるという態度を持ち続けることの重要性を説いている。ありがちな結論であるが、リサーチに基づいた本書を読めば、あなたマインドセットも変わるかも。
83位 Start with Why: How Great Leaders Inspire Everyone to Take Action
日本語版は、「WHYから始めよ!―インスパイア型リーダーはここが違う」として販売されている本書。Why、つまり、なぜ?を示したリーダーのプロジェクトが上手く行くという説いている本書。著者のサイモン シネック氏の、このWhyについて解説したTEDの動画「優れたリーダーはどうやって行動を促すか」は、非常に有名。本に興味を持った人は是非とも閲覧したほうが良いだろう。
投資家としての名高い、世界一のヘッジファンドを率いるレイ・ダリオ氏による行動指針に関するビジネス書。日本語版未発表。
(番外編)
28位 The Life-Changing Magic of Tidying Up: The Japanese Art of Decluttering and Organizing
日本では、そこまで話題になっていないのかもしれないのか、あのアメリカのアマゾンのランキングの中に、日本人の著書が入っている。
「人生がときめく片づけの魔法」で有名な近藤麻理恵女史の本である。知らないうちに世界デビューしているんですね。
総評:
アメリカも日本もそうであるが、ビジネス書の分野ではやはり自己啓発書が強い。その中でも、「7つの習慣」、「人を動かす」と「さあ、才能(じぶん)に目覚めよう 新版 ストレングス・ファインダー2.0」は毎年ランクインする鉄板である。まだ読んでない方がいたら是非とも手に取ってほしい。